六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「あたしと戦う気はある?」
「何で?」
「…………」
清良は刀をおさめた。
「この猫の事、刀の事は誰にも話さないで。
話したら、ただじゃおかない」
オーリィは困ったような顔でうなずいた。
「行くよ、まりあ!」
「清良……」
あたし達と猫は、オーリィから逃げるようにその場から離れた。
オーリィ……。
普通の人間には見えないはずの使い魔が見えた。
清良の刀を見ても、全くたじろがなかった。
それは、何を意味するのか……。
あたし達には、まだわからなかった。