六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
瑛さんは特にリアクションせず、黙々と食べてさっさと片付ける。
あたしも急いでその後に続いた。
「何あれ……すっごく不愉快なんだけど」
「言わないで、清良さん。
姉ちゃんは多分、無意識だ……」
雨をやませた、という報告をしたら留衣さんは喜んでいた。
あれから何日か経つが、
オーリィについては何もわかっていないらしい。
瑛さんが放課後あとをつけて見張ったけど、
本当に駅の近くのアパートに一人で住んでいたらしい。
今度は学校をサボって、昼間に忍び込もうと考えているみたい。
瑛さんにとっては、学校の勉強なんか価値がないらしい。
何よりオーリィの正体がつかめない事で、瑛さん以外のメンバーも安心できないでいた。
オーランド・ロットン……。
彼は、何者なんだろう。