六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「……何故、そんな推理ができたんですか?」
「大昔に、同じような事を考えた奴がいたと聞いた。
もっともその時は、夢見姫は戦の道具に利用されたんだがな……」
瑛さんは簡単に説明した。
大昔に、ある大名が外出した夢見姫をさらって、人前で無理矢理占いをさせた。
戦を勝利に導かなければ殺されてしまうため、夢見姫は祈って祈って……。
結果、大名は戦に勝った。
夢見姫は女神と崇められたが、念力を使い果たして死んでしまった。
その姫がさらわれる前に残した子が、次代夢見姫となり。
以来、夢見姫は決して外に出ないようになった。