六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
何とも微妙な顔で、微妙なリアクション。
「……照れてます?」
「……吐くぞ」
「うわ、ダメ!」
こうして何とも微妙な空気の食事が終了した時。
あたしまで、何だかお腹いっぱいな気分になってしまった。
「あの……ありがとうございました」
「?」
「守ってくれて……ありがとうございます」
素直にお礼を言うと、瑛さんはまた微妙な顔をした。
「……別に」
「ごめんなさい、こんな怪我までさせて」
「……気にするな。
これが俺の仕事だ」
少し低くなった声が、胸にのしかかった。
仕事……。
「……でも……
でも、ありがとうございました……」
本当に……『仕事』で、こんな怪我ができるの?
あたし達はまだ10代の高校生なのに……。
あたしが甘えてるだけ?
「……あまり、俺を信用するな」
「……え……」