六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
歯止め
三人が元通りに動けるようになるまでは、1週間がかかった。
それまでは安城家の両親に来てもらった。
「良かったわ……敵の襲撃がなくて。
夏休み中には帰れると良いわねえ……」
お母さんが帰りがけにしみじみ言った。
そう言われれば、もうすぐ夏休みだ。
庭に出ると、太陽が容赦なくあたしを照らした。
まるで、もう隠れられないぞ、と言うように。