六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
理由は清良とほぼ一緒だった。
「じゃあその間、瑛さんと二人きりって事!?」
そう言うと、太一と清良は眉をひそめた。
「そうね。不本意だけど」
「だけど、さっき話したら、
留衣さんの式神を何体か送ってくれるって言ってたから」
「えぇ?!瑛さん、承知したの!?」
大きな声を出してしまうと、ポニーテールにした髪を後ろからグイと引っ張られた。
「承知するしかないだろう」
「瑛さん!」
「先に行くぞ」
髪の先をつんつんと引っ張られ、犬のように外に連れて行かれた。
驚いていると、瑛さんが先に口を開く。
「黙って行かせてやれ」
「はいっ?」
「二人とも、自分の力の無さを思い知ったんだ。
良い機会だ」
また、意地悪な言い方する……!
「じゃあ、あたしが念じます。
二人がパワーアップしますようにって」
頬を膨らませると、瑛さんがため息をついた。