六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「それじゃ、あいつらがダメになる。
テストでカンニングするようなものだろ。
自分達で地道な努力を選んだ、あいつらが正しい」
「ぶー……」
そんなの、わかってるし。
これは本人達が越えなきゃいけない壁だって事。
「……瑛さんは、どこにも行きませんよね?」
「ああ、俺はここにいるのが仕事だからな」
「仕事って言うからには、お金もらってるんですよね?
岡崎一族のお仲間に、何人か応援に来てもらったら、いくらかかります?」
「留衣さんにねだる気か……なんて妹だ」
瑛さんは呆れたように空を見上げ、何かを計算して……。
指を、三本出した。
「純血以外の者を三人、1週間呼んだらこれだけかかる」
…………?
「さ、30万……?」
「誰がそんなはした金で命をかけるか。
300だ」
「さ、300万!?」