六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
超高い!!
一人100万円じゃない!!
という事は……!
「……純血の瑛さんって……
もっと高いんですか……?」
「夏休みギリギリまでかかったとして、その10倍くらいか」
「さ、さんぜんまん!?」
クラクラしてきた。
もう0がいくつ並ぶかわからない。
「小さい頃から忍者されてたなら、
瑛さんって、超セレブ……?」
「そんなわけあるか。
俺が稼いだ金は、一族の金だ。
留衣さんの方が、よっぽど持ってる」
「なーんだ。
お金持ちなら、お嫁に行きたかったのに」
「やめてくれ。
夏なのに、寒気がする」
そう言うと、スタスタと学校への道を歩いて行ってしまう。
「待ってくださいよー」
あたしは早足でそれについていった。
ねぇ、瑛さん。
今の冗談でも、少しだけ勇気が必要だった事を。
あなたは、わかっていますか――?