六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


「んん~…アキちゃん、大きくなれ~」


「何てマヌケな……

まあいい、そのまま」


「んんんんん~~~!!」


足下のアキちゃんは白い光を身体から放ち……。


ぽん。


「にゃあ!」


見事に、姿を変えた。

のだけど……


「……おい、なんだこれは」


「えっと……瑛さんをイメージしたんですけど……

失敗みたいです」


アキちゃんは、瑛さん……ではなく、

猫耳を生やし、可愛い尻尾を持つ、

瑛さんに似た小さな男の子に変身していた。


「ぷ、ぷち瑛!」


「何がぷち瑛だ!

この俺に仕立てようなど、100年早い!」


「や~可愛い~っ!

ねえ、ホントの兄弟みたいですね!

アキちゃあ~ん♪」


「にゃん♪♪♪」


あまりの可愛さに思わず抱きついてなでくりしていると、

ワナワナと震えた瑛さんが、珍しく怒鳴った。


「ふざけるなっ!」


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