六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
怒られたあたしは、アキちゃんを元の姿に戻した。
「もう良い……
実戦で役立つように、防御と攻撃を練習しろ」
「はい……」
言われた通りにアキちゃんに向かって念じ、
霊力の壁を作ってもらったりした。
しかし攻撃はなかなかうまくいかない。
敵がいないのに、どこに攻撃していいかわからない。
瑛さんは「弾丸になれと念じて、木にぶつければいい」と言うが、
それじゃアキちゃんが痛いんじゃないだろうか。
そんな事を思ってたら、なかなかできなかった。
「……今日はこれくらいにしよう」
あまりに筋の悪いあたしに見切りをつけ、瑛さんはボソリと言った。
ちょうど太陽が真上に昇り、お腹が鳴ったところだった。
「じゃあ、最後に……う~ん……」
ぽんっ。
アキちゃんを変身させてみたけど、やはり、ぷち瑛になった。
「ふわぁ~、可愛い~可愛いすぎる~!」