六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
久しぶりに、全員での夕食。
太一の好きなカレーにしたら、少し機嫌が良くなったようだ。
「おかわりあるからね、太一」
「うん!じゃあおかわり!」
「良く食べれるわね、こんなに暑いのに」
清良に呆れられながらも、太一は3杯目のカレーを胃に流しこんでいく。
「二人とも、実家はどうだった?」
「バッチリよ。
パパとみっちり特訓してきたから」
「俺も!」
二人は頼もしくニカッと笑った。
「具体的に、何が変わったんだ」
「それは、見てのお楽しみ♪」
「……別に、関係ないし」
瑛さんの問に、二人ともちゃんと答えない。
……先行き不安だなあ。
「まりあはアキちゃんで色々訓練してたんだよね?」
「うん……ふふっ」
あたしはぷち瑛を思い出して、思い出し笑いをする。
瑛さんは苦々しげに、チッと舌打ちをした。