六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
大きなお屋敷だから、一人に一部屋宛がってくれると言われたけれど。
あたしは清良と一緒の部屋に寝かせてもらうことにした。
だって、また怖い夢みるかもしれないし。
だけど太一と瑛さんは、別々の部屋にしてもらった。
お互いに、一人の方が良いと言うのだ。
疲れたはずの身体で、すぐに寝るかと思いきや……
「げっ、またババだ!」
「太一、引くたびに言っちゃったら意味ないよ……」
太一があたし達の部屋にトランプを持ってきたものだから、
予想外に盛り上がっている。
「なんか、修学旅行みたいね…
はい、あがり!」
「げー清良さん、霊力使ってねえ?」
「使ってない。
アンタが弱いだけ!」
「そーだそーだ!」
清良と一緒にバカにしてやると、太一はぷうと膨れてしまった。
そして、やはりここには……。
瑛さんは、いない。