六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「その点で、俺とお前は似ているな。
自分で自分の道を選択する事ができない。
星が決めた運命を受け入れる事しか、できない」
「…………」
「……自分で、一生を共にする人間を選択する事もできない」
胸がぎゅうと締め付けられる。
どうしたの……?
こんなの、貴方らしくないよ。
「……あたしは、違います。
このゴタゴタが片付いたら、あの町から出ていきます」
「……へぇ」
「それで、いつかは絶対、ウェディングドレスを着ます。
もちろん、自分が選んだ人のお嫁さんになって。
子供だって、たくさん、産みます」
「…………」
「……絶対、そうします……
できるって、信じます」
「……お前なら……できるだろうな。
それだけ強い念力があれば」
瑛さんは何故か、寂しそうに笑った。