六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「そーですよ!あたしは【夢見姫】ですからね!」
にこりと笑って見せる。
「だから……瑛さんの分まで、念じてあげます。
瑛さんが、自由になれるように……」
自分で決められる事なんか、何もない。
ただ定められた運命を生きるだけ。
そんな寂しい事言わないで。
どうしたの?どうしてそんなに弱気になっちゃったの?
見つめていた紫色の瞳が、微かに揺らめいた。
「……違うだろ」
「……え」
「あたしは【夢見姫】なんかじゃない!
って、叫んでたくせに。
それが本心なんだろう?」
「それは……っ」
反論しようとしたら、頭をぐしゃぐしゃと撫でられた。
「ええっ!?」
「なんだ」
「や、だって、こんな事するキャラじゃないから……」
「……お前がまた、不幸な顔をするからだろう?」
瑛さんは不機嫌な顔で、手を離す。