六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


くるりと寝たまま体を清良の方に向けると、清良は吹き出した。


「ぶっ、デメキンみたくなってる」


「ひどい!だって、だって……」


「まーしょうがないよね。

パニクって当然だわ」


清良の細い手が、あたしの頭をよしよしとなでる。


「……あたし、どうしたら良いの……?」


「普通にしてあげなよ。

太一も暴走するくらい思いつめてたんだから……

無視しちゃ可哀想だよ」


「できるかな……普通に」


「……まさか、一線は越えてないよね?」


「一線?」


「つまり……エッチはしてないよね?」


「し……っ、してない、するわけない!

キスされただけ!

って、うわぁぁ!」


なにウッカリ口走っちゃってんだ。


最低だ……。

太一、本当にごめん……。


「清良、清良は太一に普通にしてね?

軽蔑したりしないよね?」


「するわけないじゃん。

血繋がってないんだし」


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