六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
戦いは早く終わってほしい。
けれど、貴方とはもう少し、一緒にいたい。
わがままな自分がおかしい。
おかしいのに、笑えない。
「……やっぱり、眠れなさそう。
空が綺麗だから、見てます」
「……そんなに綺麗か?」
「はい」
だって、燃えるような紫色をしてるんです。
貴方の瞳の色と、同じ――。
今度こそおめでたい自分がおかしくて、
皮肉めいた笑いが顔に出てしまった。
バカみたい。
清良は、今苦しんでるかもしれないのに。
バカみたい……。
何だか泣きそうになってしまい、慌てて窓の外を見る。
しかしすぐに、真横に体温を感じて、体が強ばる。
「こちらを向け」
細長い指にアゴをとらえられ、
無理矢理に顔の方向を変えられ……。
最後に見えたのは、細められた紫色の瞳だった。