六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「無論、少し離れたところに待機させる。
あいつは伊奈と一度しか会った事がないから、
気配もつかまれにくいだろう。
もしもの時のためにだ」
瑛さんが言う。
「……わかりました」
オーリィも、あたしの力を必要としてる。
もしかしたら、仲間を傷つけるかもしれない人だけど……。
瑛さんや太一もきっと、不安なんだ。
少しでも、戦力がほしい事は間違いない。
携帯に連絡すると、オーリィはすぐにつかまった。
簡単に事情を話す。
「おー、そりゃ大変やな!
よし、すぐ行くで!」
久しぶりの出番や、と喜んだオーリィは、夕方に東京に着いた。
そして、瑛さんが指定した場所に待機。
その準備が整った連絡を受け、太一が口を開いた。
「そう言えばさぁ」
「うん?」
「予言の“六花の翼”って、結局何なのかな?」
瑛さんの眉がぴくりと動いた。