六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
時計は八時を指した。
いよいよ……。
敵と衝突する時が来た。
あたしは太一と瑛さんの顔を交互に見る。
二人とも、まっすぐにあたしを見返してくれた。
「……二人とも……。
絶対皆で一緒に、帰ろうね」
「おう!俺がいるから大丈夫だよ!」
「仕事は全うする。
心配するな」
力強い二人の視線を、胸に抱いて。
あたし達は、三人で指定された場所へ歩きだした。
清良、どうか無事でいて。
瑛さんも太一もオーリィも、皆無事で帰れますように。
あたしは今まで無かったくらい、本気で祈った。