六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


先手必勝、とばかりに、太一が式神にお札を投げつける。


「バカッ太一、避けられたら清良に当たる!」


「大丈夫だって!見てろ!」


案の定、刃(やいば)と化したお札を避け、式神が散り散りになる。


しかしお札は、太一が真言を唱えると、清良を避けて式神を追いかけていく。


「切り裂け!」


太一が指を組んで叫ぶと、お札の刃が式神の体を切り刻む!


「どーだ!」


破れたお札に戻った式神が、足下に舞った。


「ほう……少しはやるようになりましたね」


伊奈が呟くと、その手からまた何十人もの式神が沸いた。


「げっ!キモ!ってか、底なしかよ!」


「文句言ってる場合か!」


ツッコんだ瑛さんは、式神達に苦無を投げつけ、

炎の幻術で彼等を燃やす。


瑛さんも太一も、式神の攻撃を避けながら、

以前よりも強力な攻撃を繰り出す。


しかし次から次に式神は増え、

なかなか清良にも伊奈にもたどり着けない。


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