六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
崩れる天井、舞い上がる白煙。
「一体何だ!?」
珍しく取り乱した伊奈が叫ぶ。
すると白煙の中から、長身の人影が現れた。
「……ヒーロー参上やで!」
「オーリィ!!」
金髪碧眼の彼は、にやっと笑い、何かをこちらに投げてよこす。
「こんな事になってんちゃうかと思ったんや。
ごめんな、勝手に潜入してて」
「これ……!サンキュー、オーリィ!」
「No sweat!」
清良のお礼に、オーリィは笑顔で返した。
オーリィがよこしたのは、間違いなく清良の宝刀だったのだ。
清良が霊力を込めると、柄だけだったそれに長い刃が出現する。
「太一、加勢するわよ!」
「うわーん清良さん、助かったー!」
オーリィと清良の登場で勢い付いたのか、
太一の目にきらきらと光が戻った。