六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


崩れる天井、舞い上がる白煙。


「一体何だ!?」


珍しく取り乱した伊奈が叫ぶ。


すると白煙の中から、長身の人影が現れた。


「……ヒーロー参上やで!」


「オーリィ!!」


金髪碧眼の彼は、にやっと笑い、何かをこちらに投げてよこす。


「こんな事になってんちゃうかと思ったんや。

ごめんな、勝手に潜入してて」


「これ……!サンキュー、オーリィ!」


「No sweat!」


清良のお礼に、オーリィは笑顔で返した。


オーリィがよこしたのは、間違いなく清良の宝刀だったのだ。


清良が霊力を込めると、柄だけだったそれに長い刃が出現する。


「太一、加勢するわよ!」


「うわーん清良さん、助かったー!」


オーリィと清良の登場で勢い付いたのか、

太一の目にきらきらと光が戻った。


< 342 / 691 >

この作品をシェア

pagetop