六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「……あれ、瑛さんだけの力じゃないんですか?」
「違う。
明らかにあの炎には、お前の気が紛れ込んでいた」
「……そうですか……
あはは、成功してたんだ」
もう最後は『お願い!』とかで、
全く具体的なイメージをしなかったから、
あれは瑛さんだけの力だと思ってた。
「お前には、驚かされてばかりいる」
「そ、そうですか?」
「あぁ、あれだけ実戦に強いとは思わなかった。
……よくやったな」
……幻覚かと思った。
瑛さんの綺麗な手が、あたしの頭をなでたんだ。
にこりと、笑いながら――。