六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
それだけで、何も言えなくなってしまった。
胸から喉が、いっぱいで。
ただつられるように、頬の筋肉が動くのを頼りなく感じた。
あぁ、ダメだ。
まぶしすぎる。
恋は盲目って言うけど、本当だ。
意地悪なところも、わけわかんないところも知ってる。
本当は心にたくさん傷を追っている事も、
ネガティブなところがある事も、わかってるのに。
絶対、あたしなんかの手には負えないのに。
一緒に傷だらけになる事が、わかるのに。
止められない……。
どうしよう。
あたしは、この人が好きだ。