六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「まりあは瑛にホレてしまってるからな。
今は何しても無理やで」
「……そんな……」
あ、バレてる。
まりあたん、皆にバレてるよ。
「……でもな。
あの二人は、あれ以上にはなられへん」
「えっ?」
「あの二人が袂(たもと)を別つときは、そう遠くないで。
その時が僕達のチャンスや」
えっ?
とぅたんとまりあたんが……なんて?
「あの二人は絶対、結ばれへん。
……まりあは傷つくやろうな……」
「何か知ってるんですか?」
「ん?ただの勘や、勘」
ははは、と金髪兄たんは笑った。
太一兄たんは、納得いかないような表情。
「ま、だから、お前さんにも僕にも、
全く望みがないわけやないから。
そんな死にそうな顔するなって、な?」
「してませんよ!!」
太一兄たんは怒ったのか、大きな声を出して。
金髪兄たんを置いて、どこかへ行ってしまった。