六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


「お母さん!!」


見えたのは、母を求める自分の両手と、天井。


「大丈夫?」


突然の叫び声に起こされた清良が、

隣の布団から身体を起こした。


「また、夢……」


「ホント?どんな?」


「いつもの予知夢じゃなかった……」


お母さんが、会いに来てくれた。


信じてもらえるかはわからなかったけど、

あたしは皆の前でそれを報告する事にした。


あの戦いから、何日か経って。


あたしの祈りが通じたのか、留衣さんの薬が効いたのか、

やっと全員が普通に動けるようになった。


ので、今日は会議が行われる予定だ。


これからのことについて……。


戦いは終わったと思ってたのに。


お母さん……。


わかったよ。


もうちょっとだけ、がんばるね。


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