六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「まずは、先の戦いの結果からだけど……」
留衣さんの落ち着いた声が響く。
全員で集まったのは、いつも食事をとる部屋だった。
「ビルを壊され、特殊能力を持った秘書がいなくなり……
あの政党は、夢見姫の再獲得どころじゃないみたいだ。
どうやら他の夢見の一族に、占いだけを依頼することにしたらしい」
「結局占いに頼るのね……
まあ、だからうちらみたいな特殊な家系が食べていけるわけだけど」
清良がためいきをついた。
「留衣さん、伊奈……
いや、美合孝太郎は……」
珍しく瑛さんが、自分から口を開いた。
「……君の一族が調べた結果と同じだと思うけどね。
行方不明としか、言いようがない」
「…………」
瑛さんは黙ってしまった。
きっと、一族の諜報員を使って、瑛さんも調査をしたのだろう。
しかし、結果はなんとも曖昧なものだった。