六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「うん、母さんがそう言うならそうした方が良いんだろう。
で、具体的にはどうしろと?」
無理やりに納得したような表情を作り、
留衣さんはあたしを見つめる。
「あ……っと……」
少し迷ったけど、正直に言った方がいい気がして。
考えながら、口を開いた。
「蔵の書庫に、力の封印の仕方の手がかりがあるそうです。
そこを探すように言ってました」
「ほう」
「あと……」
チラリと瑛さんの方を見る。
「封印には、瑛さんの力が必要なようです……」
「は?」
「あの、一緒に封印しなさいって、言われました」
「本当に先代夢見姫がそんなことを?」
瑛さんは心底驚いたような顔をした。
他の全員もそうだ。
「……どうします、留衣さん……」
「……契約延長だな」
「です、よね……」
瑛さんは仕方がない、と言ったようにため息をついた。