六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
話し合いが終わって。
あたしは留衣さんに呼び出された。
場所は留衣さんの自室。
先ほどのお家断絶の話題もあり、
なんだかいつもより重たい雰囲気が流れていた。
「あの、お話って」
正座をしたまま聞くと、留衣さんは困ったような顔をした。
「力の封印のために、書庫を調べるんだろ?
ほら、鍵だ」
そう言うとあたしの手に、蔵の南京錠の鍵をそっと渡した。
「その……お願いがあるんだけど」
「はい?」
留衣さんが、あたしにお願い?
皆がいない、二人きりの部屋で、
留衣さんは見たことのないような微妙な顔をした。
言いたいことを、我慢しているような……。
「封印の手がかりをつかんだら、まず僕に教えてほしい」
「あ、それはもちろん……」
勝手にそんなことしませんよ。
後が怖そうだもの。
そう言うのはよした。