六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


またため息が出ちゃいそう。


一体いつまで、こんな状態が続くのかな……。


「とにかくあたし達も協力するから、皆で封印の方法を探そう」


清良がまとめてくれ、皆がそれぞれの寝床へ帰っていく。


一番最初に部屋を出たのは、やはり瑛さんで。


その背中に、トランプを投げつけてやりたいような衝動に駆られた。



なんで皆にバレバレなのに、本人はそんなんなの?



あんまり「帰りたい」って言わないで。



泣きそうになるから。





そんな想いが翌朝打ち砕かれる事になるのを、

あたしはまだ知らなかった。


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