六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


「あっ……!」



その人は、銀色の髪に紫色の瞳を持つ、
さっき会った男の人だった。



「誰だ、お前は!」



怒鳴った太一を無視し、彼は黙ってお札をお父さんに差し出した。



「……音羽本家からだ」



クセのある不思議な響きを持った声。


浮世離れした美貌。


もしかしてこの人、誰かの式神なの……?


そんなあたしをよそに、お父さんは警戒しながら、
そのお札に向かってブツブツと何かを唱える。


すると、お札が眩しい程の光を放ち――。


銀髪の彼の横に、若い男の人の姿となって現れた。

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