六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


ダン!!


「ひっ!」


また鶏肉をぶつ切りにすると、オーリィの手がビクリと震えた。


「あ、危なぁ……」


「これ終わったらトランプしてあげるから、待っててくれる?

それとも……、まだ、邪魔する……?」


「あー……僕……急にお腹が……。

機嫌直ったら呼んでな~……」


オーリィはあっさり手を離し、ぬるりと台所から出ていった。


「ふん!もっと、切るものは!?」


「姫様……もう下ごしらえ終わりましたから……」


「え~、もう?」


お手伝いさんは、プルプル震えながらうなずいた。


あたしは仕方なく、部屋に戻る事にした。


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