六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


そして、巻物のちょうど半分くらいのところで……。


他の図には無かったものを、見つけた。


「これは……?」


相変わらず、夢見姫の名前の下には子供達の名前。


しかし、もうひとつ。


姫と横棒で繋がる、名前……。


「男の人……?」


姫の名は、登喜(とき)。

彼女と横棒線で繋がるのは、博嗣(ひろつぐ)。


「男の人の名前が、夢見姫と繋がっている……」


胸が、ドクドクと鳴りはじめる。


「でも、子供達とこの人は……」


博嗣さんと、登喜さんの子供達は線で繋がっていない。


と、いう事は……?


胸騒ぎがして、その巻物をほったらかしたまま、別の棚を調べる。


すると、運良く『音羽家史』と背表紙のついた古い本を見つけた。


何巻もあるそれの、真ん中をとる。


もしかして……。


あたしの予想が正しければ、

封印なんて本当に簡単にできる……。


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