六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
母の予言、兄の提案
「わー、スゲー!!」
「太一、恥ずかしいよ……」
「だって、新幹線だぜぇ!?」
日曜日、あたし達は音羽留衣さんを訪ねる事になった。
「ねぇ、清良……って……」
いつもはクールな清良まで、新幹線の写メを何枚も撮っていた。
大きな駅に来るのが……というか、
遠出自体珍しいあたし達は、少し浮かれている。
……ただ一人を除いては。
「良いから早く乗れ、へっぽこ一同」
「なっ……誰がへっぽこだ!」
「そうか、言い直そう。
……“精神レベル小学生ご一行”様」
「何だとー!」
怒る太一に目もくれず、
憎まれ口を叩いた岡崎瑛は、指定席の車両に乗り込んだ。
今日も最高にカンジが悪い。
ただでさえ目立つ容姿の彼は、どこにいてもすぐわかる。
あたし達は彼に続いて、新幹線に乗り込んだ。