六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「ほな、いっちょもんだろか」
「遊ぶつもりはない」
瑛さんの手から、細い銀の線が放たれたと思うと。
トトト、とオーリィの首を狙った針が、壁に突き刺さった。
「さわったらあかん!毒針や!」
そう言い残して、右腕に力を集めながらオーリィは走り出す。
「この、ボケがぁっ!!」
金色に光った腕で、瑛さんに殴りかかる!
「やっ……」
完全にとらえられたと思った瑛さんの顔は。
ふっと、見えなくなった。
「……どこを見ている」
「!!」
すぐ背後から声がして、両腕で拘束された。
初めて会った日と、同じように――。
恐ろしさで、鳥肌が立った。
「やっ、いやぁっ!!」
もがこうとしても、びくともしない。
「Damn!」
あたしがいるから、攻撃ができない。
苛立ったオーリィが奥歯を噛んだ。