六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「貴方のものにって、どうやって……」
質問するたび、滋は面倒くさそうな顔をする。
「……瑛、
それも私が説明しなきゃならないのか?」
「はい」
「仕方がない」
滋は一度瑛さんを振り返った後、あたしに向き直った。
「……いや、やはりやめておこう。
全ては星の導きによる」
「星の……?」
「そうだ。
星が全てを決める」
「何よ、それ……」
冷たい手錠の感触に、やっと怒りが湧いてきた。
「夢占いとか、星占いとか、
そんなもので人の命を左右しないでよ!!」
「……お前が言うか?夢見姫。
お前の母も祖母も、そうして歴史を動かしてきたのに」
「そんなの知らない!
あたしが何したって言うの!?」
「……おもしろい娘だな」
そうは言うが、滋の目は欠片ほども笑っていない。