六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
きっと、もう、あの時には。
あたしはここに来る事が決まってたんだ……。
止まってしまった足を打たれ、また無理やりに歩かされていく。
だんだんと、自分が戻ってくる。
そう、夢。
あたしが見る夢には、全て意味があるはず。
あの鉄格子だって、夢に見た。
そして、それからどうなった?
鉄格子が消えて、その後に見えたのは。
翼。
六花の翼と、赤い血……。
そうだ。
あきらめちゃいけない。
あたしには、まだ。
お母さんの予言が残ってる。
六花の翼が。
残ってる。