六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


まっすぐに差し出された手をとると。



彼の力強い腕で、きつく、きつく、抱き締められた。



ばさ、ばさ、と翼が羽ばたく。



あたしは遠くなっていく意識の中で、必死に祈った。



この人と一緒に、帰ろうと。



瑛さんの帰る場所は、新しくあたしが作るんだ。



と。



そして。



あたし達は共に、冷たい夜空へ飛び立った。





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