六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「こりゃあかんな。
二手に別れた方がいい」
「そんな……」
しかし太一や清良は、オーリィに同意した。
「あたしとオーリィ、あと琴さんがこちらを引き付ける。
その間に、太一とまりあは砦に急いで」
「わかった」
「ちょっと待って、清良、太一……」
「大丈夫や、まりあ。
こっちはテロリストがぎょーさんおる。
もう、入り込んで追いかけて来てるはずや」
「オーリィ……」
「迷っている暇はありません、夢見姫!」
あたし達をぐるりと取り囲んだ忍達から、
再び苦無の攻撃が浴びせられる!
「やだやだ、瑛みたいなのがいっぱい!」
清良が宝刀を構え、短刀で切りつけてきた忍を次々に跳ね返す。
そして、その胴を凪ぎ払いながら、
「かーっ、峰打ちって意外に手首に負担がかかるのね!
人間相手は厄介だわ!」
と愚痴をこぼした。