六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


琴さんが真言で、オーリィが右腕から出る金色のオーラで。


同じように、忍達に応戦しはじめた。


「行くぞ、姉ちゃん!

皆、また後でな!」


太一が声をかけ、あたしの腕を引っ張って走り出す。


背後では、武器や攻撃がぶつかる音ばかりがしていた。


それを聞かないようにして、

あたしは太一の大きな手に導かれるまま走る。


早く。


瑛さんを助けて、皆の元へ帰らなきゃ。


ようやく砦の下にさしかかったあたし達にも、敵は容赦なく襲いかかる。


見張りの忍達だ。


階段に一例に並び、砦にたどり着かせまいと、攻撃を仕掛けてくる。



「久しぶりの式神、お見舞いしてやるぜ!」


太一は怒鳴ると、お札に命を吹き込み――。


それは、伊奈との戦いで消滅したはずの鷹の姿になった。


「行けぇ!」


鷹の翼が風を起こし、その威力で忍達は吹き飛ばされた。


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