六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「二人とも、眠っている力は強いものを感じるよ。
だから安城夫妻も君達がいれば安心だと思ってたんだろう。
だけど、君達には圧倒的に経験値が足りない。
実戦に出た事はほとんどないだろう?」
そう言われると、太一は黙ってしまう。
「その点、瑛は経験豊富だ。
銀髪に紫色の瞳は、純血の岡崎一族の者である証。
彼は産まれた時から忍の一族としての訓練を受け、
7歳の時から諜報活動や、政府要人の警護、悪霊退治などに当たってきた」
げっ、何それ。
そんなにスゴイ人なの?
「単に嫌味な人じゃなかったんだ……」
「……思ってる事が口から出ているが?」
岡崎さんにギロリとにらまれて、あたしは口を閉じた。
「僕の予想だと、瑛の力はこれから絶対に必要になる。
若者同士、仲良く力を合わせて、まりあを助けてくれたまえ」
太一、清良は「げー」という顔でうなだれた。