六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


「なんだ、それは……!」



炎も光もなくなって。


翼をわけあい、支えあうあたしと瑛さんに。


滋が、目を見開いた。


「……すげ……っ!」


太一の顔が、希望で輝くのが見えた。



「霊力が、戻っただと……」


滋がうめく。


それだけじゃない。


怒りを捨てた六花の翼は、

今までにない、澄んだ霊力を放っていた。


それはただ、誰かを守りたいという想い……。





「ふ、はは、面白い。

相手をしてもらおう、六花の翼よ!!」


滋の笑い声に、瑛さんが答える。


「遊ぶ気はない!!」


「これで、最後にします!!」


あたしが宣言すると、瑛さんがギュッと、あたしを支える腕に力を込めた。


あたしも、彼の身体に回した腕に、力を入れる。



「最後だと……

最期を迎えるのは、お前達の方だ!!」



滋が叫ぶと、その身体の周りに、

邪悪な霊力の渦が巻き起こった。


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