六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「「「ええええーーーっ!!?」」」
留衣さんの突拍子もない提案に、
あたしと太一、それに清良は思わず叫んでしまった。
「留衣さん……ちょっとそれは……」
クールな岡崎さんも、頬をひくひくとひきつらせている。
「だってこの家の場所は有名で危ないし、転校しなきゃならないだろ?
安城家の位置もバレてるだろうし。
ここは僕の結界を張った家を用意するの
一番安全だと思うんだけど」
「そりゃ……留衣さんの結界なら、ちょっとやそっとじゃ破れないでしょうけど。
と言うか、それ以前の問題で……」
冷静に言う二人に、太一と清良が割って入る。
「待て待て!反対!
ぜーったい反対!!」
「そうよ!
嫁入り前の乙女を、こんな嫌な奴と同棲させるわけにはいかないわ!」
「あんた、姉ちゃんの兄ちゃんだろ!?
心配じゃないのかよ!」
「そうよそうよ!
貞操の危機よ、まりあ!
アンタも何とか言いなさい!!」
「えぇ~っ……」