六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「…どうせ、音羽家が所有する物件でしょう?」
岡崎さんが言う。
「そうだ、言い忘れてた。
男は夢見の力がほとんどないから、
食いっぱぐれないように、不動産業をしてるんだよ。
だからそのへんは全部僕が面倒見るから、心配しなくていい」
……ぬかりないなあ。
「どうかな?まりあ。
監視の方が良いかい?」
「……まあ、太一や清良が一緒なら……同居でいいです」
もう、そう答えるしかなかった。
確かに今の家にいるよりは安全だし、
何かあった時、安城の両親を巻き込まずに済む。
それに、この前の態度から、
両親が留衣さんの申し出を断れないような立場である事は明白だった。
「じゃあ、用意が出来たら連絡するよ。
これから僕との連絡は、瑛の式神を使う事。
いつでも大丈夫だからね」