六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
初めての共同作業
そんなこんなで話は終わり、
あたしは留衣さんに案内されるまま、
お母さんの遺影が眠る仏間へと案内された。
音羽家以外の人間は立ち入り禁止のため、他の3人はさっきの居間で待っている。
「大丈夫かな……喧嘩してないかなぁ」
「はは、あれは喧嘩っていうのかな?
大人から見ると、じゃれあってるようにしか見えないよ」
今年26歳になるという留衣さんは、余裕の笑顔を見せた。
素敵な人だな……。
優しくて、物腰柔らかで、
優雅で気品があって、落ち着いてて……。
お兄さんだって知らなかったら、好きになっちゃうかも。
「ここだよ」
「……うわあ……」
案内された仏間は、居間よりよっぽど広かった。
仏間なんて言っていいの?これ。
中学の修学旅行で見たお寺の中みたいですけど。
高い天井から、様々な布や飾りが垂れ下がっている。