六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
帰りの新幹線に乗った時には、もうとっくに日が暮れていた。
やはりうちの田舎からは、日帰りで行くのはきつかったんじゃないかなぁ。
そんな事を思いながら座ったのは、またもや岡崎さんの横。
前の席に並んで座った太一と清良は、
発車して少ししたら、すぐに眠ってしまったようだ。
岡崎さんも疲れた表情で、窓の外をぼんやり眺めていた。
銀髪に紫色の瞳は、岡崎一族の純血の証。
あたしはその綺麗な横顔に、思わず目を奪われてしまう。
「何だ」
「へっ?」
視線に気づいた岡崎さんが、不意にこちらを向いた。
そして、クセのある声でボソリとつぶやく。
「……不幸な顔だな」
な、何ですと!不幸な顔!?
「それ、ひどくないですか!?
せめて残念な顔とか、
いっそ素直に不細工と言ってくださいよ!」
「造形の事なんか、言ってない」
プンスカ怒ったあたしに、岡崎さんは冷静に返した。