六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
岡崎さんが苦無を構える。
太一の肩に、またあの鷹が現れる。
そして、清良は……
「き、清良!」
清良が突然自分のデニムスカートをまくりあげる。
何をするのかと思えば、
清良はガーターベルトに吊ってあったらしい、短い剣を取り出した。
「電車は長物禁止だからね」
そう言って取り出した短剣の柄を握ると、
時代劇で見たような日本刀が現れた。
「ほう。西尾家の宝刀か。
初めて見た」
ビックリして声も出ないあたしの横で、岡崎さんが面白そうに言った。
「深追いはするな。
俺達の役目はあくまで、夢見姫を守る事」
「そんなの、言われなくても……」
「来るぞ!」
太一の言葉が終わらないうちに、岡崎さんの声が響いた。
岡崎さんの視線を全員で追うと、
車両の入口から、サングラスの男たちが入ってきた。