六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
すると清良の後から、別の男が迫っているのが見えて、思わず声が出る。
「清良!」
清良は返事の代わりにニヤッと笑うと、
振り返りざまに、つかんだ日本刀でなぎ払う。
その刀は、男の胴を横真っ二つにした。
「す、すごい……」
清良は、お札に戻った式神を破り捨てる。
「あと3人」
背中しか見えない岡崎さんが言う。
のぞきこむと、さっき太一に跳ね飛ばされた男が、立ち上がっていた。
「あれはお前がやれ、へっぽこ陰陽師」
「おうよ!イヤミ忍者!」
「いっ……?」
イヤミ忍者と言われ、一瞬言葉を失った岡崎さんの代わりに、太一が口の中で何かつぶやく。
そして拳を突き出してきた男に向かって、指を出しながら叫んだ。
「おりゃー!」
すると肩に乗っていた鷹が羽を広げ、突風を起こす!