六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
ザシュ、という音がして目を開けると、
ビリビリに破れたお札が太一の足元に落ちていた。
「太一すごい!」
「だろ?へへーん」
「よし。あと二人」
誉め言葉は一切言わず、岡崎さんが前に出た。
「黙って見てろ。
この俺に軽口なぞ叩けないようにしてやる」
「言われなくても、あんたなんか助けないわよーっだ!」
べっと舌を出した清良に向かい、岡崎さんは冷たく笑う。
どうして……
この人は、戦闘の時だけ、こんなに生き生きしているんだろう。
いつも、つまらなさそうな顔をしているのに。
「……お前達の主人の名を教えてもらおう」
ぼんやりその横顔を見ていたら、岡崎さんがつぶやいた。
すると二人の男が、同時に彼に向かう!
「岡崎さん!」
太一が結界を張る時間もなく、3人は火花を上げて衝突した。