六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「ちょっと、イヤミ忍者……」
「清良、やめて」
今の状況を詳しく聞こうとする清良を止める。
「本当に疲れたんだよ、きっと」
「でも……」
「だって、あんな……
あたし達の誰にもできない事をやったんだもの」
敵を二人倒し、式神の主にたどり着いた。
武術だけでなく、真言や炎の幻まで使える……。
「きっと、すごく力を使ったんだよ」
太一と清良は顔を見合わせ、それもそうかとうなずいた。
すぐそこでは、今まで鬼のような顔をしていた忍者の末裔が、安らかな寝息を立てはじめていた。