六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「あの、岡崎さんは……
一緒に行かないんですか?」
「何で俺が、買い物にまで付き合わなきゃならないんだ」
「だって、一緒に住むんですから、ご飯も一緒に食べるでしょう?
一緒に来ないと、献立勝手に決めちゃいますよ?」
普通の事を言っているはずなのに、
岡崎さんは不審なものでも見るような目であたしを見た。
「誰がお前達と家族ごっこをすると言った。
住居は同じでも、生活は全く別にしてもらう」
「えぇ?じゃあ、ご飯は?」
「自分の分くらい、自分で何とかする」
あたし達のやりとりを見ていた清良が口を挟む。
「あのさぁ、イヤミ忍者。
自分で何とかったって、この辺にはコンビニも無いんだよ?
一緒に行って、次の休みまでの食料、買っておいたほうが良いよ」
「誰がイヤミ忍者だ。
俺は岡崎瑛だ」