六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


「ごちそうさま!」



買い物を終えた後、フードコートでうどんを食べ終えた太一が満足そうに息を吐いた。



「まりあ、どうしたの?多い?」


「え、あ……」



清良が、あたしのハンバーガーセットのポテトが全く減らないのを不審に思って声をかけてくれた。



「いらねーの?

じゃあちょうだい!」


「やだ、食べるもん!」


「じゃあどうしたのよ、ぼんやりして」


「うん……」



実は、留衣さんのお屋敷に行った時から、ぼんやり考える事があった。



「岡崎さん……ちゃんと昼ごはん、食べたかなあ?」


「はあ?どうでもいいでしょうが」



清良が名前を聞いただけで思いきり嫌な顔をする。



「でも多分……

こうしてるのも、どこかで監視してるんでしょ。

休む暇……無いんじゃないのかな」



そう言うと、太一まで眉をひそめた。


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